帳簿組織

つづいて新しいテーマの説明をしたいと思います。帳簿についての話です。

すこしおさらいして、簿記上の取引のページでは、企業の経済活動が、簿記の記録に含まれるかそうではないのかということでした。

また仕訳のところでは、簿記の記録として扱われる取引は、どのようにして分類されやすいように形をかえていくのか、ということでした。

そして次の章のテーマ帳簿は、仕訳をされた取引をどのように分類・記録していくのかという記録媒体の話になります。

何を使用して記録をしていくのか、とはいうものの、CD-RとかDVD-RWとか大がかりなものを使用して記録をするわけではなく、大学ノートのような、簿記専用の帳簿というものを使い記録して集計をしていきます。まずは帳簿の組織からです。

<帳簿の体系>

帳簿の体系

ひとくちに帳簿といっても、どのような種類があるかというと、主要簿や補助簿とまずは分かれて、仕訳帳、総勘定元帳(元帳)のほかに、現金出納帳、当座預金出納帳、小口現金出納帳などなどたくさんの帳簿が存在します。

また一番始めに枝わかれしている、主要簿、補助簿は~簿とついていますが、紙の束としての、ノートとしての帳簿は存在しません。ただの呼び名です。ですからお店にいって、「主要簿ください」って言ってはダメですよ、売ってませんから。
ほかにも帳簿はいろいろありますが、一番右側の列がよく使われる主な帳簿になります。図に出ているのは一部です。

一つ一つに名前がついています、それそれ帳簿ごとに固有の機能があるんですね。その機能がまとまって一つの組織を作り出し、簿記をささえているんです。ですので帳簿を学習するときは、その帳簿が簿記のなかでどのような役割をしているのかを考えながら学習することになります。大体名前を見て想像つきますよね、現金出納帳とかそのままですよね。多分現金の出入りを記録するんだろうなとか。

あとテーマは少しずれますが、簿記で扱われる書類には、帳簿の他に試算表(ひょう)、精算表、伝票、決算書などいろいろな帳簿や表が登場します。決算書はおなじみですね。帳、表、票、書です。

最初は主要簿とは一体どういうものなのか、などを学習します。

帳簿いろいろ

まず帳簿は、主要簿と補助簿に大別されます。

主要簿

主要簿は、仕訳帳と、総勘定元帳(元帳)で構成されます。

また主要簿は、様々な帳簿の中心になり、財産状態また経営成績を明らかにするために、企業の取引すべてを記録します。

そしてこの2つの仕訳帳と総勘定元帳の仕訳したデータを元に、貸借対照表や損益計算書の財務諸表が作成されます。

すべての取引を記録するので、企業の歴史的記録という意味合いがあります。

また、それだけ重要な帳簿なので、商法で一定期間の帳簿の保管が義務付けられています。

補助簿

主要簿は、企業の取引をすべて記録して分類することが目的でしたが、補助簿は、主要簿を補うため、ある限られた内容について明細を記録する帳簿です。

例えば、総勘定元帳(元帳)のなかの、現金勘定なら現金勘定一つの科目の詳細を現金出納帳という帳簿で示します。現金出納帳を使えば、総勘定元帳だけではわからなかった、相手得意先などのより詳しい情報を得ることができます。

補助簿だけでは企業のすべての取引を記録することはできませんが、主要簿より詳しい内容を知ることができます。

それぞれの会社が必要な取引量に応じて任意に補助簿を使用することになります。主に商品売買が多いスーパーマーケットなどの業種は、商品の出し入れ、取引量が多いはずなので、仕入先元帳を使用した方がいいということです。逆に不動産の業種などは、取引はあまり多くないので、仕入先元帳を使用する必要はないですね。

ということで、補助簿は性質上、株主報告目的よりはどちらかというと、企業の内部報告用として使われることになります。