決算
たびたびページの中で登場する決算ということばですが、決算はなぜあるのか、なぜするのか、決算とはなんなのか、という基本的な説明です。目的と流れをしっていただければいいと思います。
決算の目的
決算というのは、企業の会計期間(一年間)の経営活動を区切り、その期間の損益を計算し、また財産状態を明らかにするためにする作業のことをいいます。
簿記の目的のページで述べたように、一ケ月、六ヶ月また一年というような一定期間の営業活動を、簿記では記録・計算・集計をしていき、最終的に貸借対照表、損益計算書といった報告書を、作成することが簿記の目的ということでした。
話が重複してしまいましたが、決算はその企業の財産の状態や一定の会計期間の利益を知るために、ないしは確定をさせるために、決算を行うということになります。
決算をすることによって、企業の会計期間(通常は一年ですが)の資産や負債の財産状態がどのくらいあるのか、純利益がどれくらい増えたのかがわかるんですね。
- <決算の目的>
- 経営成績
- ・・・
- 一定の会計期間の営業取引の把握
- 財政状態
- ・・・
- 決算日時点における財政状態の把握
決算という言葉からはすこし想像がしづらいですね。「締切り」とか「区切り」とかいう言葉にしてくれればイメージしやすくて、わかりやすいのに・・・
決算はどのように行われるのか
具体的に決算は、今までの期中に起きた取引を記録している元帳、総勘定元帳を締め切り、決算のための修正仕訳をして、各勘定科目から貸借対照表と損益計算書が完成するということになります。
そしてあと一つ、会計期間といいましたが、この決算という無理やり区切ってしまうという行為をすることによって、期間中なら本来ならしなくてもいい、決算特有の手続きをする必要がでてきてしまいます。この手続を決算整理といいます。
すこし抽象的な表現になってしまいますが、どのようなことかというと、無理やり区切ることによって、不完全な状態の取引がでてきたりするんです。たとえば、帳簿に記録をしているものと全く違っているとか、または記録が全くされていなかったりとか・・・・
金庫の現金がなくなっていたり、買った建物の価値が減ってしまっていたり、株が下がっていたりなどなど、理由は様々でした。
思い出す時のヒントとしては、いままで現金や商品売買などの章の中で出てきた、「決算時」といって仕訳をしていたやつがそれに当ります。
ということで決算の章の中で学ぶ主な内容は、決算整理に際して行われる半端な取引を調整するための仕訳、これを決算整理仕訳といいますが、この決算整理仕訳をするために行う、決算整理事項の確認と、決算整理仕訳を学習するということになります。
- 取引調整
- →
- 帳簿締切り
- →
- 報告書(財務諸表)作成
というのがおおまかな流れになります。
用語がたくさん出てきてしまった(汗)。本当は帳簿上の各勘定口座を締め切って、利益が増えたかまたは減ってしまったのか、ということがわかれば決算はそれで済む話なのですが・・・・でも、キチンと正確な金額を記載しないといけませんよね。
企業の営業活動というのはたえず終らず続いています。今日まで稼いだ利益は、明日にはもう増減をして、かわっているんでしたね。
そして、そのような状態の中、株主や税務署などの利害関係者に、企業の純損益を報告しなければいけないのでした。
ということは、決算日までという一定期間の中で、たとえば、決算日をまたいで売上があった場合、決算日の分までの売上は、利益として計算して、明日以降の売上は利益として計算しない、というようにいったん区切らなくてはいけませんね。
利益と財産状態を知るために一定の期間を決めて無理やり区切ってしまう、でも区切ってしまうことによって出てくる取引がある、その取引を整理する、ということが決算の基本的な考えです。
この理論の基ととなっているのは、時系列、時間の概念があるというところが重要です。
ですが、決算によって当期の利益を知るという目的はかわりません。