帳簿上の金額と銀行口座残高の金額が一致しない原因
では企業側の帳簿上の残高と銀行側の残高証明書の残高が不一致となる原因はどのようなものがあるかみてみましょう。
時間外預入 | 未渡小切手 |
未取立小切手 | 連絡未通知 |
未取付小切手 | 誤記入 |
※修正仕訳不要 | ※修正仕訳必要 |
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時間外預入
1つ目が時間外預入です。銀行の営業時間外(夜間や土日)に入金することを時間外預入といいます。ところで銀行は営業していないのに一体どうやって営業時間外に入金することができると思いますか?実は見たことのある方はわかると思いますが、夜間金庫というポストのような金庫が銀行入り口の横付近に設置されているんですね。★2その金庫に銀行指定の入金用の袋があるんですが、前もって売上金や支払いのお金を袋に入れておき、その袋を営業時間外に金庫へ投入すれば現金を預け入れしたことになるんです。これが時間外預入です。
このとき企業側では当座預金勘定の増加として仕訳をしていますが、銀行側では翌営業日まで処理が行われないので、時間の差で企業側と銀行側の当座預金口座の残高がズレることにより両者の勘定残高と銀行の口座残高の金額が一致しなくなります。これが不一致の原因になります。
しかし時が経てば銀行は処理を行うので不一致は解消されます。
時間外預入
お金を預け入れ
A株式会社
××銀行
当日処理済
翌営業日に処理
現金
この時間外預入の場合の銀行勘定調整表の調整処理は
- 企業側
- 修正なし、(仕訳しません)
- 銀行側
- 加算
となります。
未取立小切手
未取立小切手★3は取引先等が振り出した他人振出の小切手を銀行に持ち込み、銀行に代金の取立てを依頼したけれど、銀行がまだ取立てを行なっていない小切手をいいます。
企業側では銀行に「取立ててきて下さい」と小切手を預け入れます、この他人振出小切手を預け入れたときに、企業は当座預金勘定へ入金したとして増加の仕訳をしているわけですが、銀行側はまだ小切手を取立てていなかったというケースになります。このため企業側と銀行側の当座預金残高は一致しなくなり、これも不一致の原因になります。
しかし時が経てば銀行は取立てを行い、入金の処理をおこなうので不一致は解消されます。
未取立小切手
他人振出小切手を預け入れ
A株式会社
××銀行
記帳済
未取立、未回収
小切手
小切手
この未取立小切手の場合の銀行勘定調整表の調整処理は
- 企業側
- 修正なし、(仕訳しません)
- 銀行側
- 加算
となります。
未取付小切手
未取付小切手★4は取引先等に小切手を振出し渡したにもかかわらず、まだ取引先等が銀行に小切手を持ち込んでいないものをいいます。
企業は取引先等に何らかの支払いをするため「代金支払いはこれで」と小切手を振出し、当座預金勘定を減少させる仕訳をしたのですが、取引先等が小切手をまだ銀行へ呈示していないため、銀行側においてはまだ決済を完了していないというケースになります。このため企業側と銀行側の当座預金残高は一致しなくなり、これも不一致の原因になります。
しかし取引先等が銀行へ小切手を持ち込めば銀行が出金処理を行うので、不一致は解消されます。
未取付小切手
小切手振出
A株式会社
B株式会社
記帳済
未回収、未換金
小切手
小切手
この未取立小切手の場合の銀行勘定調整表の調整処理は
- 企業側
- 修正なし、(仕訳しません)
- 銀行側
- 減算
となります。