銀行勘定調整表の作成

銀行勘定調整表の作成

2級の試験では銀行勘定調整表を作成するというような問題は、あまり試験に出ないとは思いますが紹介だけしておきます。修正仕訳の方は確実にできるようになってください。

銀行勘定調整表は当座預金勘定の残高と銀行の残高証明書の残高が一致しない時、不一致の原因を明らかにするために作成する表でした。また銀行勘定調整表の種類は、両者区分調整法と企業残高基準法と銀行残高基準法があり、残高が一致しない原因はお話した通り、6つのケースがありました。

企業はそれぞれの残高のズレを確認するため、銀行勘定調整表を作成し、銀行勘定調整表上で残高を調整し修正残高を求めます。

  • 例題
  • 当社の当座預金勘定の残高は600円、銀行の残高証明書の金額は770円で金額が一致していなかった。不一致の原因を調べたところ以下の原因が判明した。

    1. 時間外預入

      280円
    2. 未取立小切手

      300円
    3. 未取付小切手

      250円
    4. 未渡小切手

      290円
    5. 連絡未通知

      310円(加算)
    6. 誤記入

      100円(減額)
銀行勘定調整表(両者区分調整法)(単位:円)
当座預金勘定残高

600

銀行残高証明書残高

770

(加算)(加算)
未渡小切手

290

時間外預入

280

連絡未通知

310

600

未取立小切手

300

580

(減算)(減算)
誤記入

100

未取付小切手

250

適正残高

1,100

適正残高

1,100

修正仕訳はこのようになります。

4.

  • (借方)
  • 当座預
  • 290
  • (貸方)
  • ○○○
  • 290

5.

  • (借方)
  • 当座預
  • 310
  • (貸方)
  • ○○○
  • 310

6.

  • (借方)
  • ○○○
  • 100
  • (貸方)
  • 当座預
  • 100

解説は特に必要無いですね、銀行勘定調整表の作成は、まとめの表を思い出しながら、「時間外預入、修正なし、銀行側加算280円」「未取立小切手、修正なし、銀行側加算300円」…と上からひとつずつ空欄を埋めていけばいいと思います。そして最終的に残高が1,100円と両者が一致して、これが貸借対照表の当座預金勘定の金額になる、ということになります。

修正仕訳の方は必ずできるようにしてください。

参考)銀行勘定調整表、企業残高基準法と銀行残高基準法

ここでは銀行勘定調整表の企業残高基準法と銀行残高基準法について学習します。この2つは試験での出題される可能性はグッと低くなるので、簿記2級の範囲をひと通り学習し終わって、余裕のある方だけ見ればいいと思います。といっても内容は難しくありませんが。

考え方としては両者区分調整法の並びかえです。いったん両者区分調整法でつくり、項目を移動させて作成するのが企業残高基準法と銀行残高基準法の簡単確実な方法です。

銀行勘定調整表(両者区分調整法)(単位:円)
当座預金勘定残高

600

銀行残高証明書残高

770

(加算)(加算)
未渡小切手

290

時間外預入

280

連絡未通知

310

600

未取立小切手

300

580

(減算)(減算)
誤記入

100

未取付小切手

250

適正残高

1,100

適正残高

1,100

例題と同じ数字を使って企業残高基準法と銀行残高基準法を作成します。

企業残高基準法

企業残高基準法は企業側の当座預金勘定残高を銀行残高証明書残高に一致させる方法です。

銀行勘定調整表(企業残高基準法)(単位:円)

当座預金勘定残高

600

(加算)

未渡小切手

290

連絡未通知

310

未取付小切手

250850

(減算)

誤記入

100

時間外預入

280

未取立小切手

300680

銀行残高証明書残高

770

これが企業残高基準法で作成された表です。

企業残高基準法は文字通り両者区分調整法でいうところの企業側を基準にして作成されることになります。

企業残高基準法で作成しろという問題が出たら、先に両者区分調整法をつくってしまうのが効率的です。なぜなら企業残高基準法は両者区分調整法の表をもとに並びかえてしまえば、企業残高基準法の表と同じものがつくれてしまうからです。

銀行勘定調整表(両者区分調整法)(単位:円)
当座預金勘定残高

600

銀行残高証明書残高

770

(加算)(加算)
未渡小切手

290

時間外預入

280

連絡未通知

310

600

未取立小切手

300

580

(減算)(減算)
誤記入

100

未取付小切手

250

適正残高

1,100

適正残高

1,100

両者区分調整法の表から企業残高基準法を作成する際のポイントは、両者区分調整法の銀行側で加算減算されていた金額が企業残高基準法では減算加算と逆になるというところがポイントです。

企業側の加算減算はそのままで、銀行側の時間外預入が280円減算、未取立小切手が300円減算、未取付小切手が250円加算されることになります。上の表と見比べてみてください。

そして最終的な金額は銀行残高証明書残高と一致するというのが企業残高基準法です。

銀行残高基準法

銀行残高基準法です。銀行残高基準法は銀行側の銀行残高証明書残高を当座預金勘定残高に一致させる方法です。

銀行勘定調整表(銀行残高基準法)(単位:円)

銀行残高証明書残高

770

(加算)

時間外預入

280

未取立小切手

300

誤記入

100680

(減算)

未取付小切手

250

未渡小切手

290

連絡未通知

310850

当座預金勘定残高

600

銀行残高基準法は企業残高基準法で作成した時の方法と逆の順番をたどります。

銀行残高基準法は両者区分調整法でいうところの銀行側の銀行残高証明書の残高を基準にして作成されることになり、両者区分調整法の企業側だったところは加算減算が逆になり、最終的に企業側の当座預金勘定残高と同じ金額になります。逆です。

銀行勘定調整表(両者区分調整法)(単位:円)
当座預金勘定残高

600

銀行残高証明書残高

770

(加算)(加算)
未渡小切手

290

時間外預入

280

連絡未通知

310

600

未取立小切手

300

580

(減算)(減算)
誤記入

100

未取付小切手

250

適正残高

1,100

適正残高

1,100

企業残高基準法も銀行残高基準法も両者区分調整法が作成できれば、両者区分調整法をベースに簡単に作成できるんですね。