有形固定資産
これからは有形固定資産を取得したあとの決算処理、減価償却について学習します。売却時はのちほど。
減価償却(げんかしょうきゃく)
建物、備品、車両など、土地以外の固定資産は、長期間営業活動で使用されていけば、時間の経過とともに少しずつその価値は減少していきます。
前ページで有形固定資産を取得したときに、取得原価を各勘定科目ごとに仕訳をして記帳していましたが、時間が経つにつれ、帳簿上の金額と実際の価値は離れていきます。
決算書はある一定時点の財産状態を表さなくてはいけないので、たとえば建物でいうと、現実の建物は何十年も経ってオンボロなのに、帳簿上の金額は新品同様のままの価額では財産状態が正しく反映されているとはいえませんね。
そのため現在の資産の状態を正確に評価をするために修正をする、正しく反映させるための処理が必要になります。
こういった理由から、決算日に帳簿価格を実際の価格に修正するという、減価償却という手続をします。
聞きなれない言葉ですが、減価償却は価値が減った分を償却(費用化)するという意味合いです。
また減価償却によって求められた費用のことを減価償却費(げんかしょうきゃくひ)といいます。
固定資産の 取得原価 | 減価償却費の 計上 | |
資産(建物など) 購入または繰越し分 | 当期に使用した分 を費用化 | 減価償却費は当期の費用に、 残存価額は次期の資産へ |
本当の正確性をもとめるのなら、一日ごと、または一回使用したごとに資産を償却していくのが理想なのですが、処理が煩雑すぎるし、毎日する必要性もそれほどないので、決算日にまとめて一度に減価償却をするというかたちになります。減価償却は決算の時に年1回だけ行われるんですね。
とにかく実際の価値にあわせていくんだということです。ということで、はじめに取得原価の金額からはじまり、どういう手続きで価値を減らしていくのかという計算方法が、簿記で減価償却を学習をしていく上でのポイントになります。