簿記の目的

二つの目的

決算書を作るための技術ということなのですが、なぜ決算書が必要なのかというのは、簿記の最大の目的が、儲けを知るということと、企業の財産の状態を知ることという、2つの目的があるからです。

例えば、企業やお店では、元手(資本)をもとに、営業を開始します。工場の機械を買ったり、営業用の車、従業員の給料の支払いなど、1円でも多くの儲けを得るために、血のにじむような努力をして資本を運用していきます。

資本を元手にして運用していくことはいいのですが、ここで少し考えていただきたいのですが、実際に本当に儲かっているのかどうかというのはちょっと疑問なんですね。

というのは、何をもって儲けといえばよいのかということが問題なんです。

はじめたときよりも、今の資本の額が増えていれば、儲かったということは単純にわかります。

しかし、もうすでに買ってしまった、工場の機械や車は、どう計算すればよいでしょうか?

具体的に、機械はどれくらいの価値があるのかわかりません、また2年後や10年後になった時の機械の価値は?どう計算すれば・・・。

購入した機械の話は無しにしても、てもとにある、金庫の中の現金が増えていれば、儲かっているといえるでしょうか?また逆に現金が減っていると、お店は果たして損をしているといえるのでしょうか・・・・・・?

こういった、実際に目に見ただけでは簡単にはわからない、財産の状態を知ること、また「売った」「買った」「支払った」などという全てをひっくるめた経済事象を正確に記録して、そして記録した情報をもとに計算してその結果、儲けを知ることができる、ということの為にあるのが簿記の技術です。

簿記によって全てのお金の動きを記録して、そして計算しているので、その計算結果がわかる書類を作れば、最終的に儲けがわかるんですね。

これから簿記で学習するしていくことは、計算するためのデータとしての記録法と、計算方法を学んでいくことになります。これが決算書を作るための技術、簿記です。

ちなみに、この作成された書類、(計算結果にあたります)財務諸表とか決算書とかよんだりします。