決算書作成技術としての簿記
あと、簿記は「決算書を作るための技術」ということといいましたが、もう少し詳しく…
作成して報告
お店や会社を興すのは、100%全額自分のお金で出資というのはあまりありませんね。大体、数人で出しあうのが一般的だと思います。
例えば、自分がある会社の株主になった場合です。自分の大事なお金を会社に投資をしたわけですから、
「あの会社は儲かっているのか?倒産したりしないか?」
株主にとっては非常に気になるところです。
また経営者は、「出資してもらった資金を、自分はきちんと管理・運用ができているのか?そしてはたして、儲けているのか?」
きちんと株主に資金を運用した成績を報告したいところです。
そこで登場するのが、決算書という企業の成績表が登場するということになります。
これは、簿記のもう一つの目的、企業の財産の状態を知るという話にも関連していますね。
関係している多くの人は、今年の運用成績はどうだったかな?と簿記の技術で作られた、決算書をしげしげと見るわけです。
もし、成績が悪ければ、なぜそうなってしまったか、原因をつきとめ改善していくことになりますし、逆に運用成績がいい、利益が出ていれば、これからもさらに多くの儲けを得るために営業努力を続けていくことになります。
決算書は、自分がどのように進めばいいのか現状がわかる、一種の羅針盤のような役割をはたしているんですね。
誰が中心になって作成するのか
簿記を作成する主体が、企業ではなく、これが個人だとすれば、おこづかい帳や家計簿と使われ方は全く同じです。
よくアニメ「ドラえもん」で、のび太くんのママ(何ていう名前?)が家計簿をつけて、「ああ、今月も赤字だわ」とつぶやくシーンが、アニメのストーリーに関係なくでてくることがありますが、のび太くんのママは、パパから渡された給料(収入)が生活費(支出)を超えないように、生活をしているんですね。
しかし、生活費を何にいくら使ったのかが正確に把握できないので、のび太くんのママは、家計の簿記(家計簿)をつけています。
そして、のび太くんのママは、家の財産の内容がわかるようになって、家計簿が赤字(支出が収入を上回ってしまった)なら、来月から引き締め生活を、黒字(収入が支出を上回った)なら、また来月の貯蓄などに、と続いていくわけですね。
つまり、計算をされる行為の当事者が、企業か個人かで違っていたとしても、結局のところは、目的は同じなんですね。
家計(家の会計のことです。)は企業会計(企業の会計のことです。)とは違って「儲け」や、また株主も存在しないので、家族以外に報告する「人」を気にすることはないという厳密な違いはありますが・・・。
企業やお店の場合は、家計よりも関わる人が多い分、もう少し複雑なんですね。
株主と経営者だけの間でのやりとりだけではすまないんです。
ですが、家計の場合も、収入と財産状況を知るための目的、羅針盤としての簿記という点ではまったくおなじですね。