商品券と他店商品券

商品券の処理についてです。みなさんは商品券を使ったことはあるでしょうか?商品券は具体的には図書券や文具券やデパートなど売られていて、表面に価格が書いてあってその価格の分だけ、お店で現金と同じように買い物ができる、お店にある商品と交換ができる券のことです。

商品券は割と大きなデパートでは贈答用として売っているんですね。サービスカウンターなどで商品券が並べられていて、そこで商品券を購入することができます。

そして、商品券を売ったらそれで終わりということではなく、後日お客さんが店の商品を、商品券で支払いをしてきたら、商品を売らなければならないことになります。

このことから、企業が商品券を発行した事象について考えると、商品券を売った時点で、支払いを前払いしたものとして考え「将来、商品券と引き換えに商品を渡す義務」を負うことになり、商品券を発行したタイミングではまだ売上として処理はせず、商品券勘定科目で処理をすることになります。

また、お店が「小売店連盟」に加盟していれば、同じ連盟に加盟している他のお店の発行された商品券を受け取ることがあります。

簿記3級の商品券の処理では「当社の商品券の処理」と「他店の商品券の処理」に分かれ、

  • 当社発行の商品券
  • 販売したとき、受け取ったとき
  • 他社発行の商品券
  • 受け取ったとき、他社へ請求したとき

のこのパターンを学習することになります。ササっと読んでしまいましょう。

商品券の処理

簿記では、商品券を発行するお店側の立場で話で進めています。

自社発行の商品券を販売したとき

  • 【例題】
  • 商品券を20,000円を発行し、代金は現金で受け取った。

デパートなどが商品券を発行し、現金で受け取ったときは、売上勘定ではなく商品券勘定(負債)で処理をします。

  • (借方)
  • 20,000
  • (貸方)
  • 20,000

自社発行の商品券を受け取ったとき

  • 【例題】
  • 商品9,800円を販売し、代金は当店発行の商品券を受け取った。

実際に商品を当店発行の商品券で売ったときは、商品券勘定科目を減らして売上げに計上します。商品を引き渡した時になって初めて売上にできるのがポイントです。

  • (借方)
  • 9,800
  • (貸方)
  • 9,800

他店商品券の処理

商品券といえば通常は自社が発行した商品券をいいますが、小売店連盟などに加盟していれば他店発行の商品券を扱うことがあります。商品を販売し、その代金が他店発行の商品券だった場合、後日交換会で他店に商品券を買い取ってもらうことになります。

商品を売り上げ、他店商品券を受け取ったとき

  • 【例題】
  • 商品券を14,000円を売り上げ、代金は他店発行の商品券を受け取った。

  • (借方)
  • 14,000
  • (貸方)
  • 14,000

他店の商品券で商品を売り上げた場合は他店商品券勘定(資産)で処理をします。あとで債権として他店に請求できるので資産なんですね。

商品券を請求したとき

受け取った他店商品券は後日他店に対する債権として処理をされます。

  • 【例題】
  • 他店商品券を36,000円を現金で精算した。

  • (借方)
  • 36,000
  • (貸方)
  • 36,000

資産の減少として処理をします。