簿記の全体の流れ

簿記を勉強する時の手がかり、これからの勉強のいとぐちになる、簿記全体の流れを把握してください。特に青く塗られている部分の、順番と内容が重要です。

流れというのは流れていますので、逆流また前後をすることはありません。一方通行ですね。

全体の流れ

簿記の世界にようこそ^^なーんて・・・・
ですが「世界」なんていいますが、簿記に関わらず、どの世界にも技術があり、お互いのあいだにしかわからない呼吸だったり、用語があります。

簿記にも当然、特有の表現があります。技術もあります。

簿記独特の表現・用語が出てきますが、大事なのはその用語が、何のための用語なのか、ということが重要です。

意味そのものよりも、どのように使われているのかが大事だと思います。

どのように使われるのかは、その世界観に慣れることができれば、なんてことはありません。これから学習していきましょう。

簿記3級の世界は「企業」がテーマになっているので、会社に勤務している方は、この「世界」に入りやすいと思います。

どこから記録・計算(簿記)が行われるのか、そしてどのように全体に繋がっていくのかを注目しながら学習してください。

全体がわかれば道に迷っても、いま何処にいるのかがわかります。というわけで、簿記の世界図です。この章は考えるときの基点・ヒントになります

企業の動き目的
発起人の引受け・銀行からの借入れ等
出資会社はお金を出資して設立します。出し合ったお金は資本になります。
会社設立
資本金法人登記などの会社設立の手続きを済ませ、○○株式会社が世の中に誕生しました。
経済活動開始
儲け・利益の追求会社は利益を得るため、企業は資本をもとに、設備投資をし、従業員を雇うなどして、営業活動を開始します。
取引
商品の仕入
商品の売上
企業は、商品を安く仕入れ、高く売ることによって、利益を得ます。また、新しく工場を購入し、お金を支払ったりもします。簿記では、財産の増減変化をもたらす一切の事項のことを取引といい、一般の人がいうところの取引とは、やや意味が異なります。どういった取引が簿記の対象になるのかを学習します。
仕訳
または
伝票
原因・結果に分けて記録企業の経済活動を原因と結果に分け、伝票や帳簿の借方・貸方に分けて記録していきます。ここでは仕訳のしかたや、仕訳をする際に使用する五勘定・勘定科目や、簿記独特の記帳・計算方法について勉強します。
特に勘定科目はボリュームが多いです。
転記
集計仕訳をしたら、勘定科目ごとにまとめて、元帳に転記されます。帳簿の種類は様々です。
試算
ミスチェック転記された科目を試算表を用いて、ミスがないかをチェックします。
決算
帳簿締切り。決算書(貸借対照表・損益計算書)の作成実際に計算・集計された書類を見て、儲かったのかどうかがわかります。
株主総会・
税金の支払い
投資家、利害関係者に報告会社に対して出資してくれた人や税務署などの利害関係者に対し、書類を提出して報告します。
翌期へ会社存続会社が解散するまで、くりかえし続きます。

仕訳と転記は、毎日おこない、試算は週または月ごとにおこない、一年たったら決算をするという手続きを経て作成されます。

まあ‥会社に勤めていれば、意識しないで行われている、普通の業務ですね。あたりまえといえばあたりまえ、普通の流れですね。

ところで、どこからどこまでが簿記の守備範囲だかおわかりでしょうか?

簿記は企業の経済活動の記録・計算・集計が目的なので、色がついている部分、取引から決算まで、が簿記の範囲になり、この範囲をこれから学習していくことになります。

また色を塗られていない部分は、前章でお話したところになります。前章から話はつづいていることを意識してください。

そして、これから日商簿記3級を学ぶ時、自分がどの位置にいるかしっかりと、世界図を思い浮かべながら、自分の位置を確認しながら進んでください。

3級の受験テキストもだいたい「取引」から話が始まってるんですね、話が途中からなんですよ。確かに仕訳が簿記の中では中心をなしているということはわかるんですが。

前後の説明があっても、1ページだけとか、だから余計に難しく感じたりするんですね。