簿記上の取引
前ページ、経済主体の諸活動は、記録をするときの言葉についての話でしたが、今度は企業の活動範囲の話です。
企業は日々様々な営業活動をしています。これを一般に「取引」といいますが、取引には、簿記に含める取引と含めない取引があります。
簿記上での取引の定義についてです。
簿記上の取引とは
企業の営業活動のなかで、簿記に含める活動と、含めない活動があります。
営業活動は取引といいかえられますが、「商談が成立した」などの一般にいう取引と、意味合いが少し違います。
簿記では、財産の増減に関する活動のみを取引とみなしているんですね。
したがって、契約をした時点では、まだ財産は増減していないということで、簿記の世界ではまだ、取引とはみなしません。
契約が成立して、支払いなどの実際に、お金が動いた時点で、財産が増減したじてんで簿記では取引にあたるこいうことになります。
また、火事で工場の一部が消失してしまった、などの場合も、実際にお金は動いていませんが、財産が動いているので、(工場も財産ですね。)簿記上の取引に含まれます。泥棒に入られても同じ理由で、取引として簿記では扱われます。
<簿記上の取引>
取引
取引
なぜ、簿記と一般とのあいだでズレが生じるのか、財産の増減を全て簿記として扱うのか、理由はわかりますね、それは簿記の目的というのが、財産と儲けの記録・計算をすること、でしたからですね。
したがって、お金が動けば、そのつど全ての記録をしていかなければならないことになります。例えば仮にお金をタダで贈与されたとして、簿記として記録をしておかなければ正しく儲けを把握できませんね。これは理解できると思います。
ポイントは財産の増減です。
簿記で取引といえば、「ああ財産が動くことだな」とおぼえておいて下さい。
ここで、企業の諸活動がふるいにかけられることになります。ふるいというのは、簿記では取引=記録対象というふるいです。
簿記の記録は取引をしたところから始まるということになります。
ちなみに取引の種類です。こんな言葉があるんだなくらいに、おぼえておいてください。
様々な取引
現金取引:現金が動く取引
振替取引:現金の動かない取引
交換取引:資産・負債・純資産の増減に関係する取引
損益取引:収益や費用の発生に関係する取引
混合取引:財産や収益費用に関係する取引